主な眼科疾患

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白内障

白内障とは水晶体が混濁することにより視力低下を来す疾患です。 最近では70歳以上でも自動車を運転される方も多く、免許更新ができないと日常生活に困る場合も少なくありません。両眼で0.7以上の視力が免許更新には必要です。白内障により視力低下をきたしている場合には、手術による視力治療が必要になります。

当院は全て日帰り手術(外来)で白内障手術を行っています。(アフターケアなどがある場合は術後に通院が必要になります。)ほとんどの症例では手術時間は10分前後ですが、決して全ての症例ではありません。5分程度で終わるケースもあれば、逆に、膨化した白色の成熟白内障、褐色に進行したケースでは白内障の核が硬い症例もあり、20~30分、あるいはそれ以上の時間を要することもあります。進行の程度や水晶体の状態によっては、水晶体の奥にある硝子体の処理も必要になることもあり、それぞれの患者さまの状態を把握した上で、術前に十分ご説明させていただき、手術計画を立てます。
一言で「白内障」と言っても、実に様々な状態の白内障があり、患者さまによって、その状態は異なるという事をご理解いただき、手術をご検討されるようにしてください。

緑内障

緑内障とは、主に眼圧の影響により視神経が障害を受け、その結果、徐々に視神経線維が減少し、視野障害を来す疾患です。根本的な原因は未だに不明であり完治できない疾患ですが、少なくとも眼圧が関係していることは判明しており、現在の治療の主体はその眼圧を下降させることです。つまり眼圧をコントロールすれば進行が抑えられる疾患であり、よって早期発見・早期治療が非常に大事な疾患と言えます。

人間ドックなどで「視神経乳頭陥凹拡大」を指摘される事があります。これは緑内障の疑いであることを意味しています。その場合には放置せず、眼科の診察を受けてください。

検査は視力や眼圧のチェックの後、眼底検査で視神経乳頭の状態をチェックします。そこで、緑内障の疑いがある場合には次のステップとして視野検査やOCT検査を行い、診断を確定します。

治療は眼圧を下降させるために、まずは点眼剤を処方します。最近では種々の点眼剤が開発されており、単剤あるいは複数の点眼剤を使用し、眼圧下降が得られるように処方します。しかし、それでも十分な成果が得られない場合にはレーザー治療や手術が必要になります。

眼底疾患

眼底疾患とは眼球の一番奥にある網膜に障害をきたす種々の疾患のことです。代表的疾患には、網膜剥離、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性などがあります。
検査は眼科基本検査に続き、精密眼底検査を行います。その後、OCT検査や血管造影検査なども適宜施行します。

糖尿病網膜症

糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症では、黄斑部に浮腫(むくみ)を合併することがしばしばあります。
この場合には最近では抗VEGF抗体という薬剤を眼内(硝子体内)に注射投与し、浮腫の軽減をはかりながら、レーザー治療を行います。

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網膜剥離、硝子体出血

網膜剥離は急激に視野欠損を来す疾患であり、緊急手術が必要になります。また、増殖硝子体網膜症など硝子体の出血や混濁を来す場合も比較的早期に手術治療(硝子体手術)が必要になります。

加齢黄斑変性

加齢黄斑変性とは網膜の中心部(黄斑部)に出血などの病変がおこり、視力低下をきたす疾患です。日本人には比較的少ない病気とされてきましたが、最近では高齢化や欧米化などの影響で、失明原因の第四位の疾患になっています。(※)


治療は主に抗VEGF抗体という薬剤を眼球内に注射投与します。まずは4週間に1回の頻度で3回投与します。そして、その後の経過により、適宜追加投与を行います。病態により薬に対する反応も違いますので、定期的に診察しながらその後の治療方針を決定します。
現在当院では連携病院と緊密な連絡を取りながら、この治療を行っています。

※参考文献:厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業 網膜脈絡膜・視神経萎縮症に関する調査研究 平成28年度 総括・分担研究報告書 : 32, 2017より

黄斑前膜

網膜の中心部(黄斑)に膜状組織ができ、変視症(ゆがみ)や視力低下をきたす疾患です。
治療の緊急性はありませんが、増殖した膜状組織により網膜に皺が強く出始めると、視力障害で生活に支障をきたす事があります。病状を見ながら手術適応を判断します。手術は硝子体手術により膜状組織を取り除きます。